ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.105000-105999 > No.105149「空き缶療法」

過去ログ  〜 過去ログ No.105149 の表示 〜


[105149] 空き缶療法
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

どうやっても
自分を好きには
なれなかったのに
誰かを好きになれた

彼女は言った

そりゃ照れますって
って
ほころんだら

彼女も笑った


その光景が見えない

窓の外
どの明かりにも
興味を持たず
等しく盲目
家に帰る
虚しく孤独
人がいる


違う人生を歩んで
同じ場所で笑って

裏は表に表は裏に
くるりと反転

彼女は消えた


中身がカラでも
二人は笑った
ジュースを飲んでも
一人なら不味かった


マーブル人生

しあわせ探し

見つからなかった

嫌になる


空き缶を前にして

先生は笑った

2007/07/11

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -