詩人:フィリップ | [投票][編集] |
数え切れない程
たくさんのソネットを
抱え込んでる、少年
君すがら
僕は側を通り抜けた
片側二車線の
車両通行体を越えると
その向こうも片側二車線
雨が降って初めて
色の出る、無愛想なコンクリート
飛んで行く風船は
風と一緒に空を漂い
やがて消えていった
忘却という次元があるのなら、そこに行きたかったのかも知れない
風を待つ、夕凪の
あの、揺らめく交差点の
右と左で
いつかの君の
しぶきのような息づかいが聴こえる
右と左では
どちらが美しいのだろう
過ぎていく夜行列車に
思い出を乗せて
レールを辿る
レールは、真っ直ぐだったろうか