詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
日の暮れた空が僕をやさしく包むように
その鮮やかな温もりのあるオレンジ色であたたかく見守る
誰かの遊び疲れた帰り道を今日もみてるよ
影は伸びるカラスも巣へと帰るころ
誰もいない公園
時々自転車が通り過ぎるくらい
夕日は静かに沈んでいく
五時のチャイムが鳴り終わって少ししたら
辺りが暗くなってきたら
街に灯りがともってきたら
夕日も家へと帰る準備
たった今、重なりあう気持ちのすべてはうそじゃない紛れもなく本当の気持ちさ
夜がきて夢の中に入るまで
それより前に朝起きて歯を磨きベッドに横になるまで
僕はずっと君を想い
ため息と迷いの繰り返しだった
答が出せない。前へ踏み切れない。そんな日々の連続だった
夜に傾く時間の速さになじめない
大人に成り上がった今でも
子供でいられた頃が恋しかった
思い出すと大人げなく涙が頬をつたう
夕日はそれでも沈んでいく
時間は待たずに走りつづけるだけ
しわくちゃの片道切符を握りしめ
かえれない楽しかった日々を想う
夕日もそれを知っているから
なるべく悲しませないように
夜は夜で月がでて
疲れ果てた大人の僕の帰り道を照らす
振り返り見上げれば
いつの夜でも月はそばにいる
何もいわずにただそばにいる
きれいに輝いて
夕日とおんなじに僕をその不器用で何げないやさしさで包むように
あたたかく見守る。