詩人:シゲヲ | [投票][編集] |
雪は白い
月は明るい
なにが、違う?
違いなどない。
青い地球の中で使われるちっぽけな言葉の中での違いに過ぎないのだから
大昔の人には翼がはえていた
雪の世界を、月の世界を舞う人々がいた
だが、絶えた
絶えるべくして絶えた
人々は他者の翼を恐れ、誇る爪で翼を切り裂いた
血が踊る これも踊るべくして踊った
戦いが終わって、夜になった
夜になっても、人々が捥ぎ取った羽根は燃え続けてい
た
その数、計り知れず
生き残った人々は、羽根を捥ぎ取られてもなんとか生き残った人たちだけだった
そして歴史が流れ
一つの伝承が語られる
翼が燃えたとき
これは空に上り、世界に火を灯した
雪は止み、太陽が輝いた
人々は生きる術を失ったが
失うことで、また新たな術を得た
・・・
・・・・・・ああ
嘘だよ?
こんな話は嘘だよ
だが歴史はそうである
汝ら、暁を望む者により
支配されているのだからな・・・・・・