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[107792] 光の果てに
詩人:黒木ミニー [投票][編集]


わたしたちは何処に行くのか不安になっている
仲の良かった人がまたひとり消えたようだ
わたしは悲しくて泣いた 静かに 静かに、
わたしたちが光を望んでいても 離れていくだけで
それでも下をむくしかないのだからこの悲しみというやつはとても質が悪い

1 自由という不自由
人の住まなくなった/住めなくなった古屋でわたしは飾られていた
意地悪なお婆さんもいなければ優しいお爺さんもいない わたしは自由だった
わたしはまだ忘れずにいる きみの存在を 隠れて逢いにきてくれたきみを
太陽は光の束
まぶしい
きみみたいだからわたしは太陽が好きだった
月が苦手なのは
きみが来ないからだろう

2 過ぎた日の記憶を辿る
雨の日の記憶ではお婆さんには足がなくて寒い寒いとばかりを繰り返す
泣きそうな声で
わたしはそれが厭で布団に隠れながら早く夏がくればいいとばかり考えていた
それとは逆に晴れの日は好きだった 晴れの日の記憶には名前はいらない
生きている
と 確認するわたし

3 おねえちゃんと
いいよ名前なんて何処かに飛んでいけばいいんだ
飛行機にでもあたればいい
あんなものは鳥にでもくわえられてしまえばいい
踊れなくてもいいでしょうあなたは影にならないで
あの人はそう言った
光の先に すこしでいい夢をみせて すこし すこし
見えない遠くを見えた気にさせてください
どうか どうか

(その願いも拒絶されてしまうのだけれど)

4 わたしはわたしから
今日は朝からわたしをみた 気分が悪くなったので近くにあった喫茶店に入った 客はすべてわたしだったのでわたしは後ろにさがった 店員とぶつかる
いらっしゃいませ
わたしはわたしから逃げれそうになかった

5 雨を待ちわびる
わたしは雨の日が好きだ 彼女の背中に穴が開く すべては少女に還る 雨は降るのをやめない
沼地の泥でつくられたものに生命が宿ると思っていたのか今ではあやしいものでしょう ああ 
少女に魂を 少年に永遠を
水の先にある
水の先にある
崩れ落ちた泥のかたまり
わたしのよこがお

2007/08/21

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