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[108151] ばぁばと蝉とときどきじぃちゃん
詩人:カナリア [投票][編集]

なぁもありゃせん
この町は
夏になりゃ蝉がぎょうさん鳴いていて

昼下がりの縁側で
ばぁばは
入れ歯をカタカタ鳴らしてソレを怒りよる

「静かにせんかい!喰てしまうぞ」

その晩出たのは
ソレを素揚げしてから
甘いタレを絡めたやつで

さすがに食えん。
と横を見ると
じいちゃん美味そうにボリボリ…ボリボリ…

夏の終わり

なぁもありゃせん
あの町は

カカァ天下で有名な
うちのばぁばも
じいちゃんも
おらなくなり

ほんま
なぁもなくなってしもて

寂しい
寂しいと
今年も蝉がぎょうさん
泣いておる…


嬉し泣き。

2007/08/26

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