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[109071] 記憶・4
詩人:黒木ミニー [投票][編集]


        海に浮かぶ、空は低く、色を失い、誰もが名前を忘れる。星たちは眠りにつき、わたしは地獄に隠れる。



動かぬものに火をつけた。闇夜で迷う草たち、震えながら獣に食われて。
男が自殺したのは女を殺したから、女は狂っていたと呟いて、死へと歩く現在、過去は幻覚に怯え、ただ拒絶する、なにも望まない、(でも知っている、わたしという存在を、)
それは百の祈りのあとのこと、教会から落ちていく、地獄に落ちた朝のこと

 男に石を投げつけて、夜の海に突き落とす。(そう、わたしは夢を見た、わたしは溺れていない、わたしは光に見捨てられた、針は組み合わせ、そして優しい少女の横顔)
ここは地獄、死んだのは若く朽ちた悪夢の季節



        夜、道化たちは今日も空を追う、地獄の側面から、
        光のない空のした、苦しみを失った鼠となって、遠い日の太陽を思い出して


わたしは見る
世界の果てに立つ夢を、
見知らぬものたちに包まれた夢を、
それらはさまよいながら、
死んでいく月と 泣いていた星に、
やがて空に絶望の色さえ消える時
名前を忘れないと誓った
地獄の住人

2007/09/07

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