詩人:ならか | [投票][編集] |
咳をするたび
肺を支える肋骨が軋む
気管支も軋み
狭くなった気管支は
呼吸するたびに
ひゅー、
ひゅー、と
人間が出せないような音をだす
狭くなった気管支に
たんが絡まり
余計に気管支は
ひゅー、
ひゅー、と
音をたてる
くるしい、、、
喘息の夜
息苦しさは薬でも緩和しきれなくて
熱にうかされ
気管支は縮み
あたしは朦朧とする
咳のしすぎで
喉はヒリヒリして
喉から血がでてるのではないかと思った
咳のしすぎで腹筋がこり
咳をするたびに
筋肉痛に顔を歪めた
たんは止まらない
眠ろうとしても横になれば
気管支にたんが絡まり
途端に咳をしだす
寝たくても
寝れない
ご飯を食べたくても
食べれない
あぁ…
せっかくお母さんが
あたしのために
甘いメロンを買ってきてくれたのに
全部もどしちゃった
もったいない…
吐きながら
泣きながら
申し訳ない気持ちになった
熱と
頭の痛みと
腹筋の痛みと
喉の痛みと
関節の痛みと
呼吸の苦しみに
あたしの幼い体は耐え
眠ることもできず
うめいてた
真夜中にうめいて
家族は迷惑だったろうな…
仕事を休んでまで
お母さんは看病してくれたっけ…
昼間ひとりで
うめいてるあたしを
放っておけないって
あたしが
うめけばなだめて
咳でうずくまれば
背中をさすってくれた
汗かいた体を拭いてくれて
パジャマまで変えてくれた
ティッシュでいっぱいになったごみ箱
資源の無駄だなぁと思った
いまは平気だけど
時折、
気管支がひゅー、と
音をだし
呼吸がしにくくなる
忌ま忌ましい音
特に
秋から冬に
喘息が出そうになる
冬の空気は好きだけど
思いっきり吸えば
ひゅー、と音をたてそうで
だから冬は嫌い