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[11156] コブタ5号
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

コブタ1号は
花壇のパンジーの水遣りを命じられ

コブタ2号とコブタ3号は
駅前のスーパーで
じゃがいも3つとバターを1箱
買ってきて と頼まれ出かけていった

コブタ4号は
そこでおとなしく遊んでて と
自立を申し付けられている

コブタかあさんは
よっこらしょ と
丸椅子に腰をおろし
ワイドショーに目をやっては
ふむふむ とビスケットをかじる

あれれ
ぼくは どうしたらいいの

なんにも頼まれないのって
一番辛いものだよ

こんなの つまんない

そんなこんなの
毎日が過ぎたある日

すぽんっ と
勢いのいい音とともに
ぼくの視界は突然光に満ち溢れた


なにが 起こったんだろう


「あなたを待ってたのよ」
次の瞬間
コブタかあさんが
幸せそうに ぼくを抱きしめた


なんだ
そういうことか。

2004/04/25

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