詩人:花 | [投票][編集] |
降り始めた雪が地面に触れては溶けて消えゆく
そんな夜だった
すがり付いた手をほどかれ投げ掛けた言葉は振り払われ
声渇れるまで泣いた
今でも垣間見る
あの夜のワンシーン
映画のようなフィクションだったらさぞ面白かったろうに
人の感情は
無償に始まりやがて有償に変わる
さしのべる手と寄り添う気持ちは
移り行く時の中で
空中に浸透し…
感動や悦びは 与え続けられることで麻痺し
貪欲に以上を求める
その挙げ句新鮮さを求め
古びた感情を捨てる
人はみな 魂の半身を求め他人にもう一人の自分を重ね合わせる
手を取るその瞬間に
熱い感情が流れたのなら
中途半端な興味関心は捨て素顔の自分と
裸の相手を見つめるべきだ
私は貴方を纏う殻を通り越し
貴方を見ていた
今でもそう信じている
幸せに…
そう祈ってる