| 詩人:花 | [投票][編集] |
朝焼けに浮かぶ白い月は
何となく君を想わせる
遠い記憶の片隅に
消えそうになりながら姿を残すから
お陰で僕は大好きだったあの曲が聴けなくなったし
大好きだったあの場所に行けなくなった
弱虫になったわけじゃない君のせいでもない
まだ好きなわけじゃない
あの頃の滑稽なまでに君を好きなもう一人の僕という感情に逢いたくないだけ
半透明になった真昼の月のように
居なくなったはずの君は
まだ僕の心に巣食ってる
目を瞑れば
遠くで声が聞こえる
別れて一年した後
君に連絡をした僕は
何とか元気…と君から返事をもらった
なんて事ない返事に胸が詰まりそうになった
熱い塊が喉の奥でもがいていた
君にとっての過去が
僕にとって 未だ 今だった
青空に浮かぶ月が
意地悪に微笑む
まるで幸せになることを邪魔するように
くっきりとその輪郭を露にして