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[119141] ダチュラの羽音
詩人:フィリップ [投票][編集]

くたびれた体を
大地に立たせ
呼吸をする
誰かの思考を読み取ろうと
花は太古の世界に
物語を探していた


葉は既に
変色し元の形状はなく
カサつく土が
こびり付いている
この花は
僕たち人間と
どこか同じだ


喜びも
悲しみも
全ては雨の朝に生まれ
濡れながら
生き長らえている

ダチュラという名は向いていないと気付いてはいたけれど
悲しみは
時に美しい



絡まった羽根を震わせ
その羽音は
重なり合い
人間の何となるのか


もっと高くへ
飛べるはずだろう?
変わらない温度と
大地の移動速度に
欺き
不服従しながら
この花は
人間の何となるのか


世俗化した
未来を超えて
まだ見ぬ世界へ
飛び立とう
ここではない場所が例え
ガラスコップが営む世界だったとしても

2008/01/16

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