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[1202] 何も無い空間から生まれるMelody
詩人:ちぃふぁん [投票][編集]

沈みがちな声はこの部屋に重く

吐息とも呼べぬ溜息に支配されていく

沈む夕日も見慣れたけれど 擦り切れた畳は変わらない

狭い部屋に流れる音楽も無く

どうしようもなくあなたといる時間だけが過ぎて行く

希望という文字を何度も書いてみたけど

今ではそれもただの現実逃避に過ぎないと知った



古びたアパートの外は車も通らず

やけに静か過ぎる空間を生み出してる

何も無い空間から生まれるMelody

ここに来た時はまだ窓から星も見えたけれど

今じゃ何も見えなくて

毎日聞こえて来る飛行機の音

私は生まれてこのかた飛行機なんて乗った事無いけど

そんな事 別に今では何とも思わない

この空と同じ空の向こうで生きている人達

たまに考えてみる自分

逢わなくたって 行かなくたっていいんだ

ただあなたと一緒に暮らしてる

特に何も起こらない毎日もいいんじゃないかって

そう思える自分がちょっとだけ幸せだと思う

そんな毎日を何となく楽しんで生きてる



理想のカタチなんてとうに捨ててしまったよ

あなたと出逢ってから

大事なのは気持ちって事、教えてくれた

人の事何も知らなかった私にあなたは優しかった

今でも優しい 私の側にいてくれる

「普通だとか普通でないとか、それは人それぞれなんだよ」って

世間の枠に合わせて生きて来たのにね

人の波に押されて流されて

それでいいと思っていた私の手を掴んで

「逃げたんじゃなくて自由を手にしたんだ」って

「二人だけの時間を永遠に手に入れたんだ」って

あなたはそう言って息を切らして笑ってた



そうして今はゆっくりと流れて行く時間を

楽しむのも心地好いと想っている



あなたの横顔が夕日色に染まるのを眺めているのも

そっと肩と肩が触れ合うのも

二人いつまでも恋人同士のままで

うっとりとした気持ちであなたに抱かれるのも

ギュッと体を抱き締め合うのも好き

目をつむりあなたの匂いを感じていると

あなたは私を優しく引き寄せた

「暖かいね...」



何も無い空間から生まれるMelody

だからずっと側にいて...

2005/04/08

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