好きな人が失恋したらしく、彼の声はいつもより半トーン高めでした「嬉しいんだけどね。でも、半々なんだ。彼女が落ち込んでいるから、僕も悲しくなってくるんだ。」私は羨ましくなりました。彼を支配している彼女が、とても羨ましくなりました。「そっか」と軽く呟いたあとで、「悔しいけどね。私も悲しいんだよ。あなたが落ち込んでいるから。」そう、心で返しました。後悔はしていません。臆病な私に出来たのは、多分、そんなことしかないのです。
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