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[123558] そして掬われる
いくつもの 細くて透明な糸
指先に 微かに触れた糸
ささやかな その感覚だけ
すべての糸を 辿ろうとした
そうして 繰り返し
胸の奥の風景の 瞬間を探し出す
途方もない 悲しみと喜びの間から
溢れそうなときは 慎重に
誰もいない 草原に流した
そうして いつまで
声が聞こえても 振り向けない
だってもう私は 残ってない
それでも声が ずっとするから
誰かがそっと 私を呼ぶから
涙を隠し切れなかったんだ
2010/01/17
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