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[124187] 偽り
詩人:EASY [投票][編集]

食べる前には
いただきます

食べた後には
ごちそうさま

そうすることが良いことで

しないことは悪いこと

教えられたフレーズを
それなりの発音で
聞こえるくらいに声に出す

もらったら
ありがとう

怒られたら
ごめんなさい


何が良くて悪いのか

目で見えて
見せられる

そんな世界になっていた

偽りである偽りが
見えてくる


良い結果を出す為の
方法ばかりが議論され

動機のいらない挨拶で
数学のような道徳で

試みや気まぐれは
すべて結果に隠された

結果がすべてと隠された

何が良くて悪いのか

立体的には見えないし

絶対的には表せない


教えられた観念が
澄んだ空気を濁らせた

視界の悪い世界では
はっきりと見えるのは


曖昧にはなりにくい
はっきり見える結果だけ




もし

自分の気持ちに嘘をついて生きたとしても

その嘘が誰にも知られなかったら

その偽りは自分しか知らないことになる


人は人を騙せない


この長い歴史の中で
人を騙せた人はいない

科学よりも確かな理論が
そこに利益を作らない

それは証拠で証明される


評価とか偽善とか

この世界の偽りが
作り上げた発想だ

偽りのない世界には
なきゃ困る物がない
何も便利に使えない

便利と思える不便さが
偽りもなくよく見える





人は人を騙せない

頭ではそうなってても

心では分かっている


僕達は賢く育てられ過ぎた


笑っていれば
楽しくなれると思ってしまう

でも本当は

笑うくらい
楽しいことがあるだけで


何も知らなかった訳じゃない


空っぽなのは頭だけ

色づいた感情は

喜怒哀楽で繋がった
君と僕を知っている


個性的な僕達は

それだけで価値がある



人は人を騙せない


そんな事ができたなら

自分が偽られただけさ


僕等は
作られた訳じゃない

作れない僕達は
夜空と同じ価値がある

夜空はこんな綺麗でも
リハーサルなどしないから

2008/04/06

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