詩人:halcyon | [投票][編集] |
あたしが死んで、
あんたが泣く夢をみた。
夢の中であんたったら
あんまり泣くんだもん。
ひねくれ者のあんたがさ。そりゃ、
どうしよって思うでしょ。
…だって。
だって、本当に、
さめざめ泣くんだよ。
みーんな何もかも
絞り出すみたいに。
あたしはね。
あたしは。
あんたのおかげで
悲しいとか苦しいとかからけっこう遠いところに
いるんだよ。
分かる?
だからあんたにも
そうでいてほしいんだ。
負の感情から、
そう、
できるだけ遠くに。
あたしの隣で
こどもみたいな
ばかみたいな寝顔
してていいからさ。
「ねぇ」
「ぐー…」
「ねぇ」
「…んー」
「ねぇ」
「…なんだよ、
おれ眠いんだけど」
「…あたしより先に死ね」
「はぁ!?
何だよそれ!
…って何で泣いてんの!?」
「あたしより
先に死ぬって約束して」
「おまえは本当に
わけわかんねーなオイ」
「約束」
「はいはい、
約束しますよー」
「…絶対だからな」
「分かった分かった、
でもなんでよ」
「あんたあたしが
先に死んだら泣くでしょ。あたし、
そんなの
見たくないから」
「…あっそ」
「うん」
「…」
「………あたし、
あんたがいてよかった」
「だろ」