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[129744] つめたい手
詩人:千波 一也 [投票][編集]


つめたい手には

ひとのこころのぬくみが宿ると

いつかだれかに聞いたから

わたしはこの手の

ぬくさを

恥じる




 あこがれや

 ねがいはなぜに

 こころをつめたく

 さますのだろう


 それゆえこの身は

 ねたみや焦りの熱をもち

 さますべくして

 さますさなかに

 また新しく

 熱をうむ



 ひとと

 ひととを

 くらべれば

 かなしいこともあるけれど

 くらべなければ

 かなしいままの

 こともある


 こころを知るということは

 なし遂げ難い

 やさしさだ




つめたい手には

ひとのこころのぬくみが宿ると

いつかだれかに聞いてから

わたしはこの手に

汗だけ握る


寒く乾いてゆく汗に

わたしは熱を終えられず


だれかの語りに

こごえ、ふるえる


2008/07/26

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