詩人:花 | [投票][編集] |
水玉模様の空が笑う
乱射した光の粒が手 肩 をすり抜けて地面に泣き顔を造った
朝の通勤ラッシュの電車を降りて 喫煙コーナーから見下ろす景色はまるで人生の早送り
溜め息と汗を拭う左手のハンカチだけが風を泳いでいた
人生はもっとサプライズ
笑いたいのに
泣きたいのに
怒りたいのに
ポーカーフェイスと溜め息の渦
長い長い夜をさ迷っているよう
長い長い人生に戸惑っているよう
私はいつだって貪欲に人生を謳歌してきたはず
私はいつだって全力で
泣いて 笑って 怒って…
宝物を拾い集めたかわりに代償に支払った
無限の価値 感情…
意味のない悲しみに襲われるのは
泣いたように笑ってしまうのは
思い出が行き場をなくして飽和しているから
大切がいっぱいあって
どれもこれも守りたくて
塗り替えることを知らない
両手じゃ足りないから
代わりに何かを捨てるしかなかった
誰かの何かじゃなく
自分の何かを対価として
水玉模様の空が笑ってる
私の代わりに笑ってる
頬を撫でるように風は吹いて
来た道を振り返るように囁いた
幾重の夜が記憶を塗り替えて
曖昧な事実を抱き締めるより
笑うことを
泣くことを
怒ることを
取り戻せと…
Aug15,2008