ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.133000-133999 > No.133330「晩 景」

過去ログ  〜 過去ログ No.133330 の表示 〜


[133330] 晩 景
詩人:朱雀 [投票][編集]

七つ下がりの風通り

透かし模様の薄絹に

囁(つつめ)く日射が

なだらかに滑り・・・・


疾(と)うの昔に置いてきぼりの

ブリキの箱で ひしめく玉が

熱の籠った鋪道を走り

鳴く蝋石の跡を追う


虹色の影を惜しむ間に

桑楡(そうゆ)日暮れて帳(とばり)を下ろし

爛柯(らんか)の名残も掻き消えて

斜陽が煽る草いきれ 


彼方の路傍に残された

見過ごす程の足跡に

切ない笑いが くつつと ひとつ

道行き摺りに また ひとつ

2008/10/23

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -