詩人:緋子 | [投票][編集] |
呼ぶ声は勇ましく
誰よりも届け
輝いてる姿も
迷いのない背中も
本当は今にも崩れそうな足元
頼りのない細い腕を突き出し
声を大にして叫ぶことで
なんとか立っていられた
その瞬間を誰よりも求める
求めようとする声があったから
さらに負けじと
強く 大きく 遠くまで
生きることは
存在を示すことだと
きつく 教えられていた
ひとりきりの部屋は
まるで墓の中のよう
先の見えぬ不安は
叫ぶことでしか拭えなかった
いつの間にか
歌い方すらも忘れて
小さな背中は生き延びることに
精一杯だったけど
いつも一番を目指して
邪魔のない先頭の立ち位置から
その先に光を見い出していた
自分に持てる唯一の希望
"声"が未来に繋がるような一瞬
君は今も忘れてないね