| 詩人:花 | [投票][編集] |
ある日魔法使いに会ったの
何処かのお伽の国の
話のように
私の尾びれを
二本足に変えてくれた
王子さまに
恋をする代わりに
いたって普通の貴方に恋をして
私は声を失った
幸せはそう長く続かなくて
私は魔法使いのいうとおり
短剣で貴方の胸を突き刺した
沫になんかならない
ひたすら走って
ただ ひたすら走って
崖から身を投じた
二本足は尾びれに変わり
私は深く深く潜ったの
魚になりたかった
貴方のいないこの海で
貴方に出逢う前の私に戻りたかった
涙を知る前の私に戻りたかった
涙に濡れる
海に融ける
声を忘れ
游ぐことを忘れ
我を忘れ…