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[138088] レイニータウン
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


この胸に落ちてくる悲しみで僕はずぶ濡れ みじめな僕に翼はない
着替えもない

街を歩いていたときふいに気になった
この街にはいったいどれくらいの涙があって人はどれくらいその悲しみに泣いたりしてるんだろう
今日もまたさいなまれてるのかな
雨をしのぐ屋根も傘も心にはないから
人は愛をもってしてもなかなか悲しみを忘れられない
そんな切ない気持ちが明日と今日のあいだに壁をつくる

きっと悲しみの数だけ涙があって
喜びの数だけ笑顔がある
そんなあたりまえのような周知の事実がなぜか愛しいね
悲しいのにつくり笑い浮かべてる人ももしかしたらいるのかも
どうしようもなくうれしいのに涙を流すときみたいにそれがうれし涙なら笑顔よりも人の心をさそう
やさしい涙 あふれる
ポチャンと路上に落ちた涙みたいな雨粒
バケツをひっくり返したような雨とはわけが違うさ

さらば レイニータウン 狂おしいくらい愛しい街よ
レインコートがむらなく喜びに染まったら
僕は君をむかえにゆこう
このうたを口笛にして ラララ…
悲しみが消えないなら
傷跡が癒えないならせめて
繰り返す日々のどこかで笑えればいいから
今日は雨でも明日は晴れると信じさせて
ばかでも なんでも
僕は信じたいから
信じるだけ

悲しみに降られた街は今日だけはレイニーカラー
雨模様、晴れ模様を交互に
繰り返すなら明日は晴れるから
ねぇ どうしようもないくらいばかな僕だから信じることはやめたくない

レイニータウン…

ほら 目を覚ませば
雨はうそみたいにやんであたたかい陽射しの中で僕ら 笑える 背を伸ばして今に感謝できる
それこそが悲しみのある意味さ
だからこそ喜びに出会えたとき人はこんなにもうれしくなれる
悲しみもまた喜びを引き立てる隠し味
そう思えたら悲しい明日もこの笑顔で過ごせるよ。

2009/01/18

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