詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
宇宙の中の小さな星に生まれた命ひとつ光る
暗い暗い闇の底でこの時を待っていた
母親の腹の中の小さな小さな宇宙の中で
星より小さい僕という命が息づいている
始まりそして終わる短い物語の中で僕は光る
宇宙のように果てしなく限りのない命がひとつ光る
やがて僕をとりまく時間も終わりがくれば止まる
こんどは死という永遠の宇宙で待つことも待たすこともなく
ずっと僕はその闇の中で眠りつづけ色のない夢を見続ける
暗く静かな海の底で夢を見続ける
夢を見続ける
そしてまた暗い宇宙にひとつ生まれる命が光る
今にもカンタンに消えそうなくらいはかなく小さな命が精いっぱい生まれてこようと光ってる
そんな命がひとつ夢を見ようとしている
夢を見るために生まれてこようとしている
夢の中で夢を見ようとしている
悲しくてうれしくて尊くてとても不思議な夢を現実という世界に見に来ようとしている
腹の中から飛び出して今にも生まれてこようとしている
小さな小さな光がひとつ
命という光がひとつ。