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[14675] リトマス紙の夏
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

右曲がりの坂道を
30歩のぼったところ

雨上がりには
アジサイが
酸性やアルカリ性に色づくので
それならば涙は、と
通りすがりのにわか雨を
ふたたび

つま先に 
ひとつぶの氷
ひろってそれをポケットに

透けてみえるほど近くに
夏は在って
ポケットの中で
氷は揺れている

にわか雨もやんで
アジサイは
名残りのアルカリ性

ポケットの中では
相変わらず
氷が揺れている

どうしても 氷が騒ぐので

もう 夏は
あきらめなければ、と
思った。


2004/07/09

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