詩人:アマネ | [投票][編集] |
伸ばした先の 光なら消え 闇は続き
五感擽る真実は 虚無の嘘へと誘う
甘ったるい梔の香りは
口無しの死人の手招き
払い退け辿った煙は
ピリピリと 舌先に鋭く
覚醒を助長させて 蝕む紫
確かなものを選ぼうと
曖昧に並べる言葉 惑う心
叶わず 応えぬ 声を待ち
幾日も 繰り返すは愚考
「温もりなど 知らなければ 望まぬものを」
と 呪えども
知らぬを知るは 業の環
放った熱は 残らずに
発した声は 響かずに
ぼやける輪郭なぞるのならば
「ただ君よ、不幸あれ」と
笑うて生きるだけの事
ただそれだけの 滲むは命