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[148071] 逃亡者
詩人:ジャガー [投票][編集]

逃れ逃れ逃れ

縄張りはどこだ

自由はどこだ

考えた時から

始まっていた




確かに在った

居場所を放棄して

あの人に捧げるのさ

胸の奥の奥の奥の方



聴き所なんか

それくらいしか無い

愛に囚われた罪深き少年




窒息しそうな程

息苦しい闇が続いた

しかし確かに在ったはず

遠く霞む光

正体も知れぬまま

ぼんやり見ていた




間に合わなかった

究極の選択

残された道を

突っ走るしか無い と

孤独の音 悲鳴みたいに

撒き散らして




それは罪

貴方を苦しめて

歪んだまま目を背けた

埃が舞って
光は閉じて
外は微かに
嵐の唸る声

遠ざけて
諦めて
せめて殺して
望みを断って

二度と会えないように と




三回目の夏

梅雨上がりあたりは緑

空は自由の向こう

遥かに吹く風が

貴方へ届きますように

あの時と変わらぬ胸の内で

愛してもいいですかと





逃れ逃れ逃れ

縄張りはどこだ

自由はどこだ

考えた時から

つまり始まっていた



 

 

2009/10/01

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