詩人:ジャガー | [投票][編集] |
逃れ逃れ逃れ
縄張りはどこだ
自由はどこだ
考えた時から
始まっていた
確かに在った
居場所を放棄して
あの人に捧げるのさ
胸の奥の奥の奥の方
聴き所なんか
それくらいしか無い
愛に囚われた罪深き少年
窒息しそうな程
息苦しい闇が続いた
しかし確かに在ったはず
遠く霞む光
正体も知れぬまま
ぼんやり見ていた
間に合わなかった
究極の選択
残された道を
突っ走るしか無い と
孤独の音 悲鳴みたいに
撒き散らして
それは罪
貴方を苦しめて
歪んだまま目を背けた
埃が舞って
光は閉じて
外は微かに
嵐の唸る声
遠ざけて
諦めて
せめて殺して
望みを断って
二度と会えないように と
三回目の夏
梅雨上がりあたりは緑
空は自由の向こう
遥かに吹く風が
貴方へ届きますように
あの時と変わらぬ胸の内で
愛してもいいですかと
逃れ逃れ逃れ
縄張りはどこだ
自由はどこだ
考えた時から
つまり始まっていた