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[153082] 風に立つ
詩人:どるとる [投票][編集]


『生きている理由がわかったら生まれた理由もわかるだろう』
雨に濡れながら 今はただ流れる涙をごまかして愛想笑いするしかないけれど
続いてゆく明日に身をまかせてゆく
夢も 理想も 遠い昔に置いてきてしまったよ
期待はされるものじゃなく自分でするものさ
僕には

深く深く息を吸い込んで吐き出して
目を見開いて
目の前にある
見つめるべき
明日を瞳に映せ

雨は願ったところでやまないけど
僕は負けじと向かいどっしりと構え風に立ちぬ
いつか それを追い風に変えられるように
僕のほうから強くなるよ

そんな気持ちをリュックに詰めこんで
今は ただ こちらに向かうばかりのびゅーびゅーと吹き荒ぶ風の前に立つ

時には岩のように
頑丈な僕だけれど
ほんとは弱いから
守ってほしいんだ
そんな僕だけれど
少しは愛してほしいんだ

遠くから 近くから
今、波のように押し寄せては引いてゆく誰かのぬくもりが優しくって涙が止まらない そんな心境

目に見えないはずのイメージが浮かんで
僕はそこに天国を見る

悲しみは願っても消えないけど
僕は負けじと向かい風にどっしりと構え立ちぬ
いつか それを追い風に変えられるように
僕のほうから強くなるよ

こんな気持ちをリュックに詰めこんで
今は ただ こちらに向かうばかりのびゅーびゅーと吹き荒ぶ風の前に立つ

生きている理由
生まれた理由
ここにいる理由
明日を生きる理由
いろんな理由が
問われる中で
僕は何も言わず
ただ黙ったまま
時を流す
静かに流れる涙で
泥臭い汗も
悲しい記憶さえも
嘘も偽りもすべて何もかも…

口笛なんか吹いてる場合じゃないね
空を見上げれば雲行きがあやしくなって雨が降ってきそう
今にも

ここにいる理由がわかったら苦労はしない
わからないけど
明日もまた向かい風に逆らいその中に立つ僕だ。

2010/02/07

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