詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しみという名の雨に降られ
ひとりきりただ雨の中で長靴履いて棒立ちだよ
予想外の天気雨みたいにさ思いもしなかった悲しみとの遭遇に痛む 胸の内
悲しみという名の雨に濡れて
今の気持ち うまく言葉になりゃしない
梅雨時の 5月には
かたつむりと戯れ
今みたいな 2月には
途方もないほどの夢を抱き そのひとつひとつを夏へと向かう道端でひとつずつ捨てるように諦めた
ヘンゼルとグレーテルのお話みたいに
道しるべじゃないけどパンくずを落とすように
そんなロマンチックなことを言っているうちに
景色は春へと移り変わり桜がもう少しで咲きそうです
目をつむれば今も覚えてるあのころのように
今はただ 僕はただ
今はまだ 僕はまだ
悲しみという名の雨に濡れて桜が咲くのをじっと待つ
雨がやむその時を
花びら舞うその時を
悲しみという名の雨に濡れて詩でも書きながら待つよ
ふいに吹いてみた口笛が空にのぼる
そんな他愛もない出来事がみょうに優しいね
そして日は予定通りしずむ。