詩人:巳年生まれ | [投票][編集] |
お互いなんにも知らない
外見ですら わかんない
せいぜいあっちがクマで
ぼくがウサギってくらい
いったい
なにがわかるって言うのだろう
いったい
なにがわかるって言うのだろう
家族ぐるみだとか
ありきたりな単語はありしも
残念だがぐるみ違いさ
どうやらぼくらは着ぐるみなようだ
愛しのファニーぐるみ彼女
毛並みは麗しのブラック撫子
蜂蜜とかは基本嫌いな
ビターアンドビジー ぼくの彼女
一方ぼくは特徴のない白ウサギ
彼女から聞いたら
彼女から見たら
ぼくはなんのひねりもない
ただのつまんない白ウサギ
嗚呼…
夏はぼくも 彼女も
中は汗がべったりだろう
だけどぼくらは
身を寄せ合い生きていくだろう
冬はぼくも 彼女も
中はだいぶ暖かいだろう
だからぼくらは
身を寄せ合う必要すらありゃしないだろう
少し暑苦しいくらいがちょうどいい
少し見えないくらいがちょうどいい
お互いなんにも知らない
外見ですら わかんない
せいぜいあっちがクマで
ぼくがウサギってくらいで…
自分の事すらなんにも知りゃしない
身長体重ですら よくわかんない
せいぜい現在の体調の良し悪しくらい?
向こうは様子を見てないとわかんない
いったい
なにがわかるって言うのだろう
いったい
なにがわかるって言うのだろう
ぼくはいったい
なにを知ってるって言うのだろう
本当にぼくは
彼女のなにを知っているのだろう
嗚呼…
今日も風船を配る…
嗚呼…
隣で彼女が夕焼けに染まる…
赤っぽい色の風船を
手を放さないように渡す
そんなかんじさ