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[156119] 恋か否か
詩人:巳年生まれ [投票][編集]


降り積もった雪を
土で汚れつつ積もった雪を
歩道の脇に 寄せる

未開拓の惑星を
色くらいしかわからない惑星を
望遠鏡越しに 垣間見る



判断しかねる

ずいぶんと
判断しかねる

私が彼を好いてしまったのか

それを判断しかねて顔しかめる

ただ応答待ちかねる
彼からの応答待ちかねる

「果たしてこれは恋なのでしょうか?」

尋ねては応答待ちかねる


視界に受け渡される適刺激が
無気力に唸る感覚中枢を指すとしたら

目に入れても痛くないほどだが
これを明順応と呼ばずして何とするのか

なきしもにあらぬ程度の壁が
上下に運命を分けていく段階


そして、コルチ器管に響く

コルチ器管に響く低い君の声が

私を確かに人間にする…



降り積もった雪を
土で汚れつつ積もった雪を
歩道の脇に 寄せるような

未開拓の惑星を
色くらいしかわからない惑星を
望遠鏡越しに 垣間見るような


過ぎていく時間を
老いつ老われつ過ぎていく時間を
忘れ去って今だけになる

心が 私の心が
大事にしまってある私の心が
一人を吸収していく

人間一人を吸収していく




しかし

「よろしくお願いします」
と言うのは

答えになっていないと思います

2010/07/01

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