詩人:どるとる | [投票][編集] |
ゆらゆらとただゆらゆらと生きる灯火のような僕の人生に幸あれと祈る
心を包み込むこのぬくもりの正体を僕は知っている
それは世界でいちばん大好きな人のぬくもりなんだ
灯火がゆらゆらと揺らめくそのさまを
僕は見ている
ただ見ている
死ぬまで見ている
君に幸あれ
冷えたアスファルトにタイヤのあとが走る
ふいにタバコに火をつければ暗闇に僕らの顔が浮かび上がる
そんななんでもない夜
ゆらゆらとただゆらゆらと生きる灯火のような僕の人生は祈らずとも幸せ
君がいれば
そばにいれば
その灯火さえあれば
幸せは難なくずっと続いていくことだろう
僕らのあいだにだけ
語り継がれる話
それはやがて僕らだけの合い言葉になる
空に散る 花火の音に振り返れば
夏が目の前で七色に輝きながら いくつもの花が僕の瞳の中に咲いては散る
君に幸あれ
冷えたアスファルトにタイヤのあとが走る
ふいにタバコに火をつければ暗闇に僕らの顔が浮かび上がる
そんななんでもない夜
本当は言いたいはずなんだよ
隠すつもりはなくても隠してる思いを
簡単に言えたなら
それはつまらないというものだろう
だから
つけたタバコをすぐにもみ消して暗闇の中でも君の手をちゃんと握れるように
僕は何度も君の居場所を手探り 捜すんだよ
そして君の手をまちがいなく握るんだ
少しばかり休息が必要らしい
夏休みという名の名目で君とドライブ
夜がゆらゆらと
宛もなく
時計を振り回して
正しい時間のとおりに朝へと向かう
灯火は今ここで
静かに僕の胸の中へ
おさまっただけ。