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[163462] 野守の騎士
詩人:アル [投票][編集]


その足は
アルファベットの
「K」のように片足が
やや屈曲している

体は華奢で
ラッシュアワーの
駅の階段を
手摺りに掴まりながら
ゆっくり登ってゆく

痩せ細った筋力に
長い階段が過酷なのは
明らかなのに
エレベータには
乗ろうとしない

階段の途中で
暫し息を継ぐ彼女の横を
夥しい通勤通学の蟻達が
追い越してゆく

毎朝
同じ時刻の同じ電車
降りれば5回に3回は
彼女が前を歩いてる
来年には
その電車に乗る必要が
なくなる
それまでは見守るだけの
ナイトでいよう
顔さえ知らない
後ろ姿の君の

2010/12/23

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