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[167242] 彼女は「星になりたい」と願った
詩人:姫宮らら [投票][編集]


二人で夜空を見ていた

たまに流れる星に

彼女は願いを込めたらしい

「何を願ったの」と聞くと

彼女は表情ひとつ変えず

「私 星になりたいの」

そう言った

「それはつまり…」

僕が口を開くと

彼女が唇を重ねてきた

「何も言わないで」

という彼女の心の声が

唇から伝わるようだった


次の日 彼女は冷たくなった

右手の小さな瓶

足元に散らばる睡眠薬

彼女は星になれたのだろうか

そんなことを冷静に考えたけど

納得いかなくて

声が枯れるまで泣き叫んだ


 

2011/04/10

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