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[168020] 食いしん坊
詩人:どるとる [投票][編集]


あなたがいて
僕がいて
みんながいて
家族がいて
友達がいて
恋人がいて
お隣さんも
地味にいる

そんな毎日の中で
欲ばかり張って
さんざんわがままに生きてきた僕だけど
二度と消えない傷跡も抱えているよ

上司がいて
社長がいて僕ら平社員がいて成り立ってる会社で毎日働いている
労働とひきかえにお金をもらって
それで一体何を買うの?それで一体何ができるの?

ほらよくあるような教科書に載ってるようなマニュアルどおりの幸せはどこにありますか?教えて

見るのもいやになるくらい うじゃうじゃと人ばかりで 溢れかえったこの世界で
今日もその中の人に僕は救われて
今日もその中の人に僕は傷つけられて
人を信じてみたり
疑ったり
様々な今を生きて
僕は現在(いま)いる場所にたどり着いたんだ

誰からも忘れ去られてもいい
ただ生きているあいだだけは 満足のいくまで 傷ついたり 転んだりしたいんだ
べつに夢を叶えたいとか 大きな何かを成し遂げたいとか そんなんじゃなくてさ
生きている意味を
少しでも
感じられたら
それだけで僕は幸せだよ

あたたかい家族のぬくもりも
微笑ましい恋人との日々も
一人になってしまえば寂しさだけが残るだけさ 淡い日々が過ぎて 何もかも 消えちまったら 痛みなんてすぐ 和らいで
一人も寂しくなくなって 一人なら一人の楽しみを見つけている僕がいるんだ

やがて僕も誰かが歩いたこの道の先で朽ち果てて 死んでゆくのが運命なのさ
社会にとらわれた身体 自由など夢のまた夢さ
でも限られた自由の中で僕は笑ったりしている 完全には自由じゃないからこそ
守られていることもまた事実
情報化社会に埋もれた人と人が長い年月をかけて積み重ねた
愛や友情の記録を僕も残したいのさ

朝は普通に飯を食って
夜は普通に風呂に入ってぐっすり眠れたならそれでいい

独り今日も私腹を肥やす。

2011/05/10

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