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[174017] 矛盾の宴
詩人:どるとる [投票][編集]


人と人とが殺し合い
時には互いを庇い合う

まるでこの世はコロシアム

負った傷跡舐め合えど
消えぬ痛みに気を違え

夜も明けないコロシアム

活字の海に 溺れた民の群れの中
僕らは叫ぶ 己が自由を

そうさこの世はコロシアム

人と人とが殺し合う
それが喰らわれ喰らう本道さ

長い年月の果てに忘れた獣の本性を
解き放てば 食らいつく その喉元は女の小さなケツの穴

人と人とが憎み合い
時には互いを讃え合う

まるで光と影のコロシアム

月は夜に躍り出て
朝にゃ太陽しゃしゃり出る
僕は塀に身をひそめ
己が罪を正当化

ああ この街もやがて海の底
時が変える遠き最果ての明日の景色

結局この世はコロシアム

今なお続く争いに
呆れた僕らは
ぬるま湯の中
幸せに恍惚の顔を張り付けて
他国の不幸を笑ってる

ああ 人の心の中がコロシアム

心の調律 誤れば たちまちこの世は焼け野原

アルマゲドンにはまだ早い

さりとて この世はコロシアム

最後の手段は 決まってる

己が愛をただ信じ
明日をもしれない
希望の光
その拳に握りしめ
僻まず 憎まず
争わず

人の隙間を縫ってでも 私は綺麗を装います

盾も貫くその剣
剣も砕くその盾

どちらもただの盾と剣

交えてみても仕方ない

さりとて 人は殺し合う
罪なき人を殺めても少しの痛みも感じない
そんな世でも人は生きる

平和こそがすべてだと口にしながら殺し合う

解せぬ矛盾が多すぎる 理不尽だけが遺される

矛盾の宴は続くのだ
夜明けも日暮れも
違えなく 宴は終わらず続くのだ

まるで己だけが 善いように
まるで己だけが 秀でてるように。

2012/02/09

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