波の調べへと耳朶(みみ)を澄ませて、やさしい瞳でまぶたをおろして、うかびくる情景(けしき)へ想いを委ねて、還るべき悠遠(ばしょ)へとたゆとう生命(わたし)・・・おもいだせる…巷ではなにも変化のないかもしれない色彩であるにしても…境涯は移り渡って、運命さえいく度だって塗り転換えて、喜悦びだってちゃんと受持(たも)って…あなたはあなたへと成就る宿命(ため)に、瞬時(いま)を永劫に解き放ち・・・
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