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[175162] Tさんのパイ
詩人:中村真生子 [投票][編集]

Tさんが焼いて

八等分にされたパイが配られる。

テーブルの上でパイが囁く。

「自らが幸せの源となり

その幸せを分かち合えよ」と。

心してパイを頬張ると

ほどよい甘さで

ほんのりシナモンの香りがした。

Tさんは

いつものように笑っている。

いつものように朗らかに…。

2012/03/23

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