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[175165] 春の雨の朝
詩人:中村真生子 [投票][編集]

芽吹きを迎えた桜が

色づき始めたミモザが

花盛りのクロッカスが

すべてのものが

涙をたたえて佇む雨の朝。

けれど

もう冷たい雨ではなく

柔らかな雨。

その一粒一粒が

幼けない少女の

笑い声のようにころころと

木や花を転がり

あどけない少年の

澄んだ目のようにきらきらと

木や花を彩る。

すべてのものが

涙をたたえて佇む雨の朝。

柔らかな春の雨の朝。




2012/03/23

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