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[176210] アネモネの旅立ち
詩人:中村真生子 [投票][編集]


冬が返ってきたような

寒い朝。

着ることもなくなっていた

上着を羽織って

窓辺に佇む。

そよぐ庭の木の葉。

なびく土手の草。

強くて冷たい風が

駆け抜けていく。

目を落とせば

片隅に

綿毛になったアネモネたち。

温かくして旅支度。

「また来年。良い旅を!」。

2012/05/11

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