あながち間違いでもなさそうな傾斜みちおおきく眼を閉じたままひとつ、ひとつ、をよく噛み砕いたら背中に負うのは真っ赤な約束瓜二つ、みたいかつての路地はいまでも路地で見かける顔が違うだけかつての迷子はいまでも迷子で怯える理由が違うだけ咲かない春のまんなかで魚は巡る綺麗になりたい言葉の祭りのうら・おもて一輪だけがこしらえる、のは交互にかなしい群れの花だれの指にも帰らずにだれの指をも香らせるまばゆい影の一輪の花
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