ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.178000-178999 > No.178259「湿度」

過去ログ  〜 過去ログ No.178259 の表示 〜


[178259] 湿度
詩人:千波 一也 [投票][編集]

わたしの何かを

湿度はさらう

それが

具体的には

何だったのか

思い当たらせぬまま

湿度は

最低限の言葉だけを

無造作に配置して

汗ばむわたしを

黙視する


得たつもりでいたものが

しずかに綻び始める頃

わたしはようやく

何かに思い

当たる


秒針の

滞りない刻みのなかで



2012/08/30

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -