詩人:喋る狼 | [投票][編集] |
遠くで聞こえる遠吠えが
朧月夜に響いたら
この胸にある十字架を
どうか外してくれますか
霧に紛れて桟橋渡り
向こう岸を夢にみる
その目に映るは夜半の朧か
最果ての夜にもがいても
夜明けの女神は気付かない
もはや麻痺したこの口は
神を呪うこともせず
悪魔を讃えることもない
静寂の中で傷付かない
それはまるで硝子の像
貴女の前では規律を無くす
手懐けられないこの心臓
掠れて咲いた血の花も
気にもとめずに吠えるのは
夜が明けたらいつものように
また人間の振りをするから
言葉じゃ上手く届かない
届け届け届けと願う
何かを今夜も遠吠えに載せ