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[181265] 夜行列車
詩人:陽楼 [投票][編集]

肩を叩かれた
微笑む老人
これはどこに向かう列車ですか?
窓の外は真暗な夜中の中
始まる人形劇 老人の人形劇

人気の無い車内
人形劇は進む

主人公は何て馬鹿なんだ
まるで今の俺さ
救い様の無い無様な道化師

横目で見る暗い窓に映る
疲れ切った夜よりも暗い男の顔
逃げてはいないさ
それは言葉にならない 愚かさ

老人の人形劇 似ている主人公
まるで自分の愚かな人生
最後はせめて笑わせて下さい
哀れな道化人形 重なる想い
待ってくれ
待ってくれよ 待ってくれよ 待ってくれよ
せめて最後は


肩を叩かれた
終点ですよ 車掌の一言
駅に降り立つ人々
歩き出す肩へ風がすり抜けて
夜空へ消えた

2013/03/18

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