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[182054] 鬼の名前
詩人:さみだれ [投票][編集]

眠る前に
語りかけてくるそれは
猟奇的で
人間がもつ喜びや幸せとは
縁遠いものでした

彼は
脳を支配する
その機会をうかがい
監視しています

科学ではどうすることもできません

そして
それは他人の認識をもたず
またもたれないので
やはりどうすることもできません

かなしいことに
彼は人格へ干渉をはじめ
こころを爪で掻きます
カリカリ、カリカリ
そして
こころはみすぼらしい色をした
いびつな形へと変わることでしょうね

楽な道を
唯一挙げるなら
この身のすべてをあげよう
そう思うこころに
またつめをたてて
飽きないのだろうか

絶対の理性なんてないのよ

きえるべきはさ
彼じゃない
君たち
ここを彼にあげて
消えるべきなのですよ

たまには

自己を見違うくらい
いいでしょうに
世界のすべてを
憶測で語り
彼を忘れることが
低俗であるならば
やはり
暗いもりのなかを
手探りであるくように
やばんで
物知らずのほうが
幸せなのでしょうか
では
彼はなぜ
脳を支配する
狂気に至ったか
いい加減に気付かなくては
というより
認めなくては
それは全て
一切合切
何もかも
私の望みであり
あなたたちの最終進化であり
人類のもつ理性なのです

さて
眠る前に
語りかけてくるそれは
一体いつ
この腕を得るのでしょうか


2013/06/16

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