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[186106] あかね雲
詩人:どるとる [投票][編集]


それぞれの帰り道
どこまでも どこまでもついてくる
アスファルトに影法師 涙に濡れている
帰りたくないよとためらった右手も
いつの間にか それが当たり前みたいに
分かれ道 あなたに手を振った

今日もまたあなたのために 帰り道が
家までまっすぐに伸びている だから
家に帰ろう 笑顔を連れて帰るから涙も
置いていかないさ
ほら ふいに見上げた空に あかね雲 ひとつ 浮かんでいる

昨日の痛みを残したままで
いつまでも いつまでもうずいている
傷跡に 誰かの優しさが痛いくらいしみる
公園のブランコが風に揺れていた
砂場には誰かがつくった砂の城
取り残されたようなシャベルとバケツ

今日もまた あなたの心まで赤く染める
夕日が静かにあなたの瞳の中で沈んでく
家に帰ろう ただいまを言うよ だからおかえりを聞かせて
「人は最後はどこへ帰るんだろう」
僕はあなたの待つ家に帰りたい

今日もまたあなたのために 帰り道が
家までまっすぐに伸びている だから
家に帰ろう 笑顔を連れて帰るから涙も
置いていかないさ
ほら ふいに見上げた空に あかね雲 ひとつ 浮かんでいる。

2014/08/22

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