ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.189000-189999 > No.189072「愛さずにはいられない」

過去ログ  〜 過去ログ No.189072 の表示 〜


[189072] 愛さずにはいられない
詩人:どるとる [投票][編集]


目に見えるものだけがこの世界の全てなら
心や感情なんて 要りません

だから さわれない思いにふれるには
目を閉じて 暗闇や無音の中に光や声を探すんだ

降り止まない 雨に濡れ うつむいたそのほほに差しのべる こんな汚れた手でも誰かを愛せるかな

人を愛することは 人に愛されるということ

人を憎めば憎むほど愛もまた 深まってゆく

僕らは人を愛さずにはいられない
だって心や感情が僕らをいつでもその場所に留まらせるから
忘れられたような場所に咲いた花の名前を
覚える意味のなさにもある意味

そんな優しい 言葉をくれるならば
誰も孤独になんかなりたいとは思わなかっただろう

気づいたよ たくさんの人の幸せと同じだけ悲しみもあること
僕は願う「今日出会った人と明日もまた会えますように」

人を労い 敬うこと 或いは人を慈しむこと

そんな当たり前なことすらもどこか冷めている

僕らは 生き物の中でもひときわ頭がいい
だからその賢さで誰かを思いやるのも決して無駄じゃない筈だ

そして気づく 僕は一人になったとたんに不安になる
誰かといると 心強い こんなにも弱い僕は 強がることしかできないけれど 強がるのにも誰かがいなければ強がれない

人を愛することは 人に愛されるということ

人を憎めば憎むほど愛もまた 深まってゆく

僕らは人を愛さずにはいられない
だって心や感情が僕らをいつでもその場所に留まらせるから。

2015/09/04

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -