詩人:タキシード詩者 | [投票][編集] |
人形はいつまでも踊り続ける。
操る人間が変わったとしても、寂しい顔も見せず軽やかに踊るのだ。
さぁさ皆さんお立ち合い。
こんなに滑らかな動きをする人形見たことあるかい?
凄いと目を丸くする子供たち。
その尊敬に満ちた眼差しが、人形の糸を伝わって俺にそそがれる。
俺はその輝く目から顔を背ける。
これは俺が人形の糸を操るからじゃない。
この人形だから動くんだ。
これじゃまるで俺の方が人形に操られているみたいだ。
客がいなくなり、俺はゆらゆらと人形を持ち上げ、床に叩きつけてしまいたい衝動にかられる。
でも駄目だ…
こいつがいなくなったら俺は生きていけない。
さぁさ皆さんお立ち合い。
こんなに滑らかな動きをする人形見たことあるかい?
カタカタ歯をならして、その言葉を発しているのは…一体どっちだ??