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[50446] サカナ
詩人:ライカ [投票][編集]

魚は寂しくならないのだろうか?


蛍光灯の 殺菌でもしそうな神経質な光を 鮮やかな鱗で跳ね返す  
熱帯魚


その身は いちども 仲間同士触れ合わない


寄り添い
もたれ掛かり
相手の体温に安らぐことのない世界が そこには在った


人間は こんなにもお互いを求め合うのに


なぜだろう?



一つ、思い当たることがあった


そう、水だ。




質感もあって 直に触れることのできるあれが 水槽には詰まっていた


常に自分に触れてくれるもののある安心感


そう。
水が 彼らにはあったんだ




それに比べて 僕らの世界にあふれるのは
空気


存在を身近に感じられなくて
触れられないもの





だから 僕らは愛するのだろうか


水の中に帰りたいから


なにかと触れ合って
昔 自分を包んでいたあの感触を取り戻そうとする

空気を一瞬でも
水に戻したいから

そんな寂しさが
魂に刻み込まれ
癒えてくれないから




だから

愛する

求める。






僕はきっと

君を

水の代わりに





2005/10/02

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