今にも泣き出しそうな
迷子の子供がいた

『一緒にママ探すか？』

僕の問いに深く頷き小さな手でこの親指を握り絞めた

少し探すとすぐに母親が見つかり

僕の事はすでに忘れ最高の笑顔で母親に飛び付く

良かったね

自然と笑みが零れた

それと同時に
なんだか羨ましくて

今度はこっちが
泣き出しそうになった

自分の居場所があるって
すごい事だって思えた

そんな複雑だけど
素敵な出来事だった